「バイト」ダイジェスト動画公開中!
maru_red.gif 稽古場レポート公開中!
”パート”ナーのある方が、「バイト」の稽古場レポートを書いて下さいました!
稽古場レポート#1
稽古場レポート#2
稽古場レポート#3


2013年06月05日

稽古場レポート#2

6月初旬 都内某稽古場 午後

例年よりも早く梅雨に入った東京だが、その日は梅雨の中休みで、スッキリとした青空が広がった。
1週間ぶりに訪れる稽古場。いったいどんな進化を遂げたのだろうと、ウキウキしながら稽古場の扉を開けた。
外のさわやかな空気とは裏腹に、どんよりとした重い空気が全体を覆っていた。
稽古場の雰囲気が悪いという訳ではない。
「バイト」の物語世界がずっしりと存在していたからだった。
はじめから終わりまでをノンストップでやる、通し稽古の真っ最中だった。
私が訪れた時に、ちょうど物語序盤の重要なシーンが展開されていた。
ほぼ完璧にセリフがはいった状態の役者陣、本番さながらの衣装を身にまとい絶妙な掛け合いを見せていた。
その周りを、演出玉置が真剣に見つめてる。なにかを思いついたのか、アイデアをメモ用紙に書き加える。紙を覗くと、まだ序盤のシーンだというのに、びっしりと書き綴られてあった。
面白いと感じたのは、玉置氏が、役者のセリフのやりとりにたまに「うん!」とうなるのだ。きっと彼のストライクゾーンに球が来たのだろう。その時の顔が本当にうれしそうだ。
「うん!」「おぉ!」「あはは!」
まるで役者と玉置氏がキャッチボールをしているかのようだ。

カスガイ 2nd connect「バイト」には、ここには書けない様々な仕掛けが用意されている。
劇場に入った途端きっと観客の度肝を抜くであろう、見事に計算された舞台機構。
その機構だからこそのストーリー。私もしてやられた。
ストーリーはもちろん、細部のセリフも完璧だ。シリアスなやりとりの途中にはさまれるシニカルな会話に思わず笑ってしまう。そしてじわじわと暴かれていく人間関係。ミステリー的要素もかいま見る事ができるこの脚本はすごいの一言だ。
いったいどんな結末が待っているのか…。
「カット!」壮絶なクライマックスシーンの後、玉置氏からの声がかかる。
まだ少し余韻が残る中、通し稽古が終わった。
そして稽古場は序々にいつもの朗らかな雰囲気を取り戻す。
本番まで10日あまり。この時期に通し稽古をするのは、なかなかのハイペースだ。

あるデザイナーの言葉に「80%=20%の法則」というものがある。
80%の完成度は、総制作時間のうち20%の時間で到達する事ができる。
しかし、残り20%の完成度を達成するには、総制作時間の80%を要する。
つまり、ここからが正念場だ。その苦しみは、役者達のつぶやきを見ていればわかる。苦しそうで、そして楽しそうだ。
このメンツならば、100%の完成度を裕に超え、120、いや200%の舞台を見せてくれるはずだ。
本番が楽しみである。

〈文・写真/(株)井上製紙ちり紙課・米山和仁〉

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posted by カスガイ at 02:32 | Comment(1) | その他の情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

稽古場レポート#1

5月下旬 都内某所稽古場 午後

稽古場では出演者11人全員が揃っていた。稽古場には本番の舞台とほぼ同じ大きさの仮舞台が設置されていた。
その傍らで、まずは準備運動。基礎的なストレッチなどを行うのかと思いきや、ボールが一つ投入され、バレーボールが始まった。
チームがつくられ、負けた方はなんらかのペナルティーが課せられるそうで、皆必死だ。しかし、そこは「バイト」のメンバー達、相手にボールを返すチームワークもさることながら、サーブを打つ時になぜか小芝居を始める者、自分のミスをするりと回避しようとする者、相手への精神的プレッシャーをかける者、個人技もなかなかのものだ。
そしてそれを従えるカスガイ主宰で、バイトの演出玉置玲央は…。
一番バレーを楽しんでいた。
ウォーミングアップなのに、皆汗だくになっていた。しばらくの休憩の後、いよいよ稽古が始まる。
バレーの盛り上がりの空気が残る稽古場。さぞかし稽古も激しいものになるだろうと、固唾を飲んで見守っていたが…。
演出玉置が手を叩く。役者達は稽古場を黙々と歩き始める。
玉置は、役者達にさまざまな指示をだす。それに淡々と答えていく役者達。
あまりに静かで、不気味な雰囲気。役者達が物語の登場人物に入り込む時間がそこにあった。
玉置からある指示がでた。
「今から二人一組になってください。そして、自分が与えられた役になって、相手に様々な質問をしてください。その質問から読み取った相手(物語上の)
の事を皆に発表してもらいます。」
玉置が手を叩くと、すぐに5つのペアができあがり、静かな質疑応答が繰り広げられる。
ぼそぼそ、時に笑い声、質問にしばし考えこむ沈黙。5つのペアがそれぞれ、物語の人物が台本以外の会話をしている。
とても興味深い光景だった。
発表の時間。各々のキャラクターを発表する。
この人の出身は○○。暇な時はパチンコに行く。腕前はそこそこ。先週大きく負けた…。
ペアの細かな事を発表している。それを皆が共有している。さっきまでバレーボールに興じていた10人の役者はもういなかった。そこには「バイト」の物語の登場人物10人の若者がいた。
それぞれの発表を聞き、玉置は感想と修正、そして疑問を投げかけていく。形作った彫刻に、さらに研磨をかけ、美しく仕上げていくように。
そのやり取りが延々とつづけられた。
そしてようやく台本をつかった稽古に入っていくのであった。
台本意外の世界を構築し、それを台本の世界にフィードバックしていく作業。
それをひょうひょうとやってのけるパフォーマー達。
いったい本番の舞台にどんな怪物ができあがるのだろう…。
本番まであと16日。

〈文・写真/(株)井上製紙ちり紙課・米山和仁〉

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posted by カスガイ at 02:27 | Comment(2) | その他の情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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